【中1保健体育】健康ボディ＆マインド！〜運動と心のバランス〜

この教科で何を理解させるのか

中学校1年生の保健体育は、単に体を動かす技術を学ぶだけの教科ではありません。「生徒の運動能力や体力向上を促し、生涯にわたる運動習慣の基礎を築くこと」 、そして「心身の健康に関する正しい知識を伝え、自己管理能力を育むこと」 が二大目標となります。

体育分野では、陸上競技、球技、体操などの基本的な運動技能の向上を目指し 、保健分野では、思春期の心身の変化や性、怪我の予防など、健康に関する正しい知識を学びます。

この時期に運動の楽しさと健康管理の重要性を体感させることが、生徒たちの将来のウェルビーイングに直結します。

指導の目標：AIネイティブ世代に向けたゴール設定

指導目標は「運動技能の向上と、健康な体と心をつくる知識を習得する」こと 、そして「デジタルツールで運動記録を管理し、自己の健康状態を客観的に把握する能力を養う」こと です。AIネイティブ世代にとって、データに基づいた自己管理は身近なスキルであり、それを体育の分野にも応用させる視点が求められます。

具体的な指導法：アナログとデジタルの手立て

アナログの手立て：身体感覚と協調性を育む

多様な運動技能の習得: 陸上競技、球技、体操など、様々な運動技能を段階的に習得させます。各種目の特性を理解させ、自分の得意・不得意を発見させる機会とします。

集団での運動: 集団での運動を通して、協調性やフェアプレー精神を養います。チームで作戦を立てたり、互いに声を掛け合ったりする中で、コミュニケーション能力や社会性を育みます。

健康に関する講義・グループワーク: 心身の健康に関する講義やグループワークを通して、正しい知識を学びます。思春期の体の変化など、デリケートな話題については、生徒が安心して発言できる雰囲気作りが重要となります。

デジタルの手立て：データに基づいた自己管理能力の育成

活動量計とアプリの活用: スマートウォッチや活動量計で運動量を記録し、アプリでグラフ化して自身の運動習慣を分析させます。歩数や消費カロリーを可視化することで、目標設定やモチベーション維持につなげます。

フォームの動画撮影とAI分析: 運動フォームを動画で撮影し、AIによる分析ツールで改善点を見つける活動を取り入れることができます。客観的なデータに基づいて自分の動きを振り返ることで、効率的な技能向上を促せます。

オンラインでの情報収集: オンラインで栄養管理やメンタルヘルスに関する情報を収集させ 、その情報の信頼性を見極める練習も行います。

指導の要：アナログとデジタルの最適なバランス

「体を動かすアナログな活動で基礎体力を向上させつつ、デジタルツールで運動データや健康情報を管理・分析し、自己の健康管理能力を高める」というバランスが重要です。

運動の楽しさや仲間との一体感といったアナログな体験と、データに基づいた客観的な自己分析というデジタルなアプローチを組み合わせることで、心と体の両面から健康を捉える力を育成します。

学習成果を測る評価の視点

技能、知識、態度の多角的な視点から評価します。

アナログ評価: 各種運動技能の習得度や、集団運動における協調性やリーダーシップを評価します。また、健康に関する知識の理解度もペーパーテストなどで確認します。
デジタル評価: 運動記録の管理能力や、デジタルデータに基づいた自己分析と改善計画の質を評価します。オンラインでの情報収集能力も評価対象となり得ます。