【中3技術・家庭(家庭分野)】持続可能な社会をデザインする!〜豊かな暮らしを考える〜
この教科で何を理解させるのか
中学校3年生の家庭分野は、個人の生活というミクロな視点と、環境問題や共生社会といったマクロな視点を結びつけ、持続可能な社会の実現に向けて主体的に行動できる力を育む集大成の段階です。指導の核となるのは、生活の課題を多角的に捉え、実践的に解決する能力を養うこと、そして地域や世界の人々と共生する意識を育むことです。
生徒にとっては、食料問題、環境問題、少子高齢化など現代社会の課題と家庭生活の関連性を理解すること、消費者としての責任やエシカル消費の重要性を考えること、多様な家族の形を理解し共生社会の実現に向けた行動を考えることが、具体的な学びとなります。
指導の目標:高校以降の豊かな人生を見据えたゴール設定
指導目標は、ずばり「生活の自立と社会への貢献」です。持続可能な社会の実現に向けて、主体的に行動できる力を育むことを目指します。情報があふれる現代において、デジタルツールを賢く活用し、より良い生活や社会をデザインする能力も育成します。
具体的な指導法:アナログとデジタルの手立て
アナログの手立て:実践と対話で社会とのつながりを学ぶ
課題解決に向けた調理・製作: 食料問題や環境問題をテーマに、課題解決につながる調理実習や製作を行います。例えば、「食品ロスを減らすための使い切りレシピ」を考案して調理したり、「着なくなった衣類をリメイクして新しい価値を生み出す」製作を行ったりします。
地域社会との連携: 地域のNPOや企業と連携し、エシカル消費やフェアトレードに関する学習を深めます。実際に活動している人の話を聞いたり、商品を手に取ったりすることで、学びがよりリアルになります。
未来の家族・地域についての討論: 多様な家族の形や、共生社会のあり方についてグループで討論します。自分たちの未来をどう築いていきたいかを主体的に考える機会とします。
デジタルの手立て:情報収集とグローバルな視点
オンラインでの情報収集と分析: 消費者庁のWebサイトや国際機関の統計データなどを活用し、消費者問題や世界の食料問題、環境問題について学びます。信頼できる情報源からデータを集め、課題の現状を客観的に分析する力を養います。
デジタル技術を活用した生活デザイン: スマートホームやIoT家電、フードテックなどの最新技術が、持続可能な生活にどう貢献できるかを考え、アイデアを発表させます。
指導の要:アナログとデジタルの最適なバランス
中学3年生の家庭分野では、「実践的な生活スキルをアナログな体験で習得し、デジタルツールを活用して生活の効率化や、環境に配慮した生活をデザインする」というバランスが、生徒の課題解決能力を育みます。
手作りの温かみや人とのつながりを大切にするアナログな価値観と、グローバルな課題をデータで捉え、テクノロジーで解決策を探るデジタルな思考力の両方を育てることが重要です。
学習成果を測る評価の視点
評価は、知識や技能だけでなく、社会課題に対する当事者意識や実践意欲を評価します。
アナログ評価: 消費者としての意識、住まいづくりへの工夫、家族関係における多様性への理解などを、レポートや発表、グループワークでの貢献度で評価します。
デジタル評価: デジタルツールを活用した生活の効率化や、環境に配慮した生活デザインのアイデア、そしてそのための情報収集・分析能力を評価します。