【中3技術・家庭(技術分野)】未来技術の探求!〜AIと情報社会の課題〜
この教科で何を理解させるのか
中学校3年生の技術分野は、これまでの学びを基に、情報技術が社会に与える影響を多角的に理解させ、未来社会を創造するための技術的な思考力と応用力を育む、まさに集大成の段階です。指導の核となるのは、人工知能(AI)やIoTなど最新の情報技術について理解させること、情報モラルや情報セキュリティに関する課題を深く考えさせること、そして生徒自身が課題を設定し、情報技術を活用して解決策を探求することです。
生徒にとっては、プログラミングやデータ活用を通して、実践的な情報活用能力を養い、情報社会の未来を創造し、社会に貢献できる人材となるための基礎を築くことが目標となります。
指導の目標:高校以降の豊かな人生を見据えたゴール設定
指導目標は、「情報社会への対応力と創造性」を育むことです。情報技術の仕組みを理解し、倫理的な視点を持って活用できる力を養います。さらに、「プログラミングやデータ活用を通して、実践的な情報活用能力を養う」こと、そして「未来の社会を創造するための技術的な思考力と応用力を育む」ことも大きな目標となります。
具体的な指導法:アナログとデジタルの手立て
アナログの手立て:課題設定と協働による問題解決
課題発見と設計: 生徒自身が、身の回りの生活や社会の中にある課題を発見し、それを技術の力で解決するための計画を立てます。アナログなブレインストーミングやディスカッションを通して、課題の本質を探り、解決策のアイデアを練り上げます。
協働での製作: グループで協力して、設計したものを製作します。アナログなものづくり(木工・金工など)とデジタルな制御(プログラミング)を組み合わせた、複合的な課題解決に挑戦させます。
デジタルの手立て:AI・データ活用による実践的課題解決
実践的なプログラミング: Pythonなどのプログラミング言語を使い、より実践的な課題解決に取り組みます。例えば、センサーで取得したデータを分析し、その結果に応じて機器を制御する、といったIoT的なシステム開発を体験させます。
AI搭載ロボットの活用: AI搭載ロボットの制御プログラミングに挑戦させ、AIが社会でどのように活用されているかを具体的に学びます。
情報社会の課題探究: インターネットやネットワークの仕組みをオンラインシミュレーターで学ぶとともに、フェイクニュース、プライバシー、デジタルデバイドといった情報社会の課題について、オンラインで情報を収集・分析し、解決策を提言するレポートを作成させます。
指導の要:アナログとデジタルの最適なバランス
中学3年生の技術分野では、「アナログなものづくりで技術の原理を理解し、デジタルツールでプログラミングの基礎を習得し、AIを活用した社会課題解決の可能性を探る」というバランスが、生徒の創造性を最大限に引き出します。
現実の課題を発見する力、仲間と協働する力といったアナログなスキルと、AIやデータを駆使して解決策を具現化するデジタルなスキルの両方を育成することが重要です。
学習成果を測る評価の視点
評価は、成果物だけでなく、課題設定から解決に至るプロセス全体を評価します。
アナログ評価: ロボットの組み立てと制御の技能、電子回路の設計・製作能力、そして課題解決における計画性や協働性を評価します。
デジタル評価: プログラミングによる問題解決能力、AIの活用能力、そして情報技術に関する情報収集・分析能力を評価します。