【中1技術・家庭(技術分野)】未来の創造者!〜テクノロジーとものづくりの探求〜
この教科で何を理解させるのか
中学校1年生の技術分野は、私たちの生活を支える「技術」の仕組みを解き明かし、自らの手で未来を創造する楽しさを体験する教科です。
指導の柱は、「ものづくりの楽しさや、技術の仕組みを理解させること」 、「情報を適切に扱い、情報社会を生きる上で必要な情報モラルを育むこと」 、そして「問題解決のために、論理的に考える力を養うこと」 です。
生徒にとっては、木材や金属の加工方法や工具の安全な使い方を学ぶこと 、簡単な電気回路やセンサーの仕組みを理解すること 、そしてプログラミングの基本的な考え方を体験することが、具体的な学習内容となります。単なる作業ではなく、設計から製作、評価、改善という一連の問題解決プロセスを学ぶことが、この教科の核心です。
指導の目標:AIネイティブ世代に向けたゴール設定
指導目標は、まず「木材や金属加工の基礎と、簡単なプログラミングを習得する」ことです。これは、物理的なものづくりと論理的な思考を結びつける第一歩です。さらに、「デジタルツールを活用して、技術の仕組みを理解し、問題解決に活用する能力を養う」ことも大きな目標となります。AIネイティブ世代の生徒たちが、テクノロジーを消費するだけでなく、創造する側に立つための基礎を築きます。
具体的な指導法:アナログとデジタルの手立て
アナログの手立て:ものづくりの基礎と安全意識を育む
材料加工と工具の安全な使用: 木材や金属の加工方法を学び、のこぎりややすり、ボール盤といった工具を安全に使用する技術を習得させます。特に安全指導は徹底し、「なぜこの手順で作業するのか」「なぜこの保護具が必要なのか」という理由を理解させることが重要です。
簡単な電子回路の組み立て: 簡単な電子回路を組み立て、物の動きの仕組みを理解させます。LEDを点灯させる回路などを例に、抵抗の役割や回路図の読み方を指導し、電気エネルギーが光エネルギーに変換される様子を体験させます。
デジタルの手立て:プログラミング的思考と情報活用能力を養う
ビジュアルプログラミング体験: プログラミング学習サイトやアプリ(例:Scratch)を使って、簡単なプログラムを作成させます。キャラクターを動かしたり、簡単なゲームを作ったりする中で、「順次」「分岐」「繰り返し」といったプログラミングの基本的な考え方を直感的に学ばせます。
最新技術に関する情報収集と考察: インターネットで最新の技術(AI、IoTなど)に関する情報を収集し、技術が社会に与える影響について考えさせます。調べた内容を基に、「10年後の私たちの生活はどう変わるか」といったテーマでグループディスカッションや発表を行うことで、技術を多角的に捉える視点を養います。
指導の要:アナログとデジタルの最適なバランス
この教科におけるバランスの要は、「アナログなものづくりを通して、具体的な技術の仕組みや安全な作業方法を学ぶ。デジタルツールでプログラミングの基礎を習得し、情報技術が社会に与える影響を考察する」ことです。
自分の手で木材を切り、形にするアナログな体験と、画面の中で論理を組み立てるデジタルな体験。この両方を経験することで、実体のある「モノ」と、情報という「コト」を結びつけて考える力が育まれます。
学習成果を測る評価の視点
評価は、成果物だけでなく、プロセスや思考力も重視します。
アナログ評価: 木材や金属加工の技能、作品の完成度、そして電子回路の組み立て能力を評価します。特に、工具を安全に使用できているかは、作業中の観察によって厳しく評価する必要があります。
デジタル評価: プログラミングの基礎知識と、プログラミングによる問題解決能力を評価します。作成したプログラムが意図通りに動作し、基本的な構造を含んでいるかを見ます。また、情報技術に関する情報収集・分析能力もレポートや発表で評価します。