教師の学び

中学校2年生の「技術・家庭(技術分野)」指導攻略

【中2技術・家庭(技術分野)】未来の創造者!〜AIと情報社会の課題〜

この教科で何を理解させるのか

中学校2年生の技術分野は、1年生で学んだものづくりの基礎を発展させ、情報技術が社会に与える影響について考え、未来を創造するための思考力と応用力を育む段階です。指導の核となるのは、情報技術の発展と社会への影響について考えさせること、プログラミングを通して論理的思考力や問題解決能力を育むこと、そして情報モラルやセキュリティ意識をさらに高めることです。

生徒にとっては、簡単なロボットの仕組みやプログラミングによる制御を体験すること、インターネットやネットワークの基本的な仕組みを理解すること、情報を効果的に伝えるためのデザインの基礎を学ぶことが具体的な学習内容となります。

指導の目標:AIネイティブ世代に向けたゴール設定

指導目標は、「ロボット制御やネットワークの仕組み、情報デザインの基礎を習得する」ことです。これにより、現代社会を支える技術の根幹を理解します。さらに、「AIを活用して、技術の仕組みを理解し、社会課題解決に活用する能力を養う」ことも大きな目標です。生徒たちがテクノロジーの利用者から、課題解決のための創造者へと成長することを促します。

具体的な指導法:アナログとデジタルの手立て

アナログの手立て:技術の原理を体験的に理解する

ロボットの組み立てと制御: 簡単なロボットの組み立てと制御を行います。モーターやセンサーを組み込み、物理的にモノが動く仕組みを体験的に学びます。

電子回路の設計と製作: 電子回路の設計と製作を通して、より複雑な電気の制御を学びます。はんだ付けなどの技能も習得しながら、部品の組み合わせで機能が生まれることを実感させます。

デジタルの手立て:プログラミングと情報社会への探究

テキストプログラミングへの挑戦: プログラミング学習サイトやアプリを使って、Pythonなどのテキストベースのプログラミング言語の基礎を学びます。ビジュアルプログラミングから一歩進み、より本格的なプログラミングの世界に触れさせます。

AI搭載ロボットの制御: AI搭載ロボットの制御プログラミングに挑戦させます。例えば、カメラで色を認識して特定の色のブロックだけを運ぶ、といった課題を与えることで、AIがどのように現実世界を認識し、判断するのかを学びます。

ネットワークの仕組みの学習: インターネットやネットワークの仕組みをオンラインシミュレーターで学びます。パケットがどのように宛先に届くのかなどを視覚的に学ぶことで、普段何気なく使っているインターネットの裏側にある技術への理解を深めます。

指導の要:アナログとデジタルの最適なバランス

中学2年生の技術分野では、「アナログなものづくりで技術の原理を理解し、デジタルツールでプログラミングの基礎を習得し、AIを活用した社会課題解決の可能性を探る」というバランスが重要です。

自分の手でロボットを組み立てるアナログな体験と、AIに指示を与えて社会課題の解決策をシミュレーションするデジタルな探究。この両者をつなぐことで、地に足の着いた技術活用能力を育成します。

学習成果を測る評価の視点

評価は、成果物だけでなく、問題解決のプロセスや論理的思考力を評価します。

アナログ評価: ロボットの組み立てと制御の技能や、電子回路の設計・製作能力を評価します。作品の工夫点や、安全に作業する態度も評価対象です。

デジタル評価: プログラミングによる問題解決能力、AIの活用能力、情報技術に関する情報収集・分析能力を評価します。作成したプログラムのコードや、社会課題解決に関する提案レポートなどで評価します。

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