教師の学び

小学校5・6年生の「算数」指導攻略

2. 算数:割合・速さの超難問突破!〜複雑な問題をシンプルに考える〜

算数では、抽象概念(割合、速さ、比)の理解と問題解決能力を向上させることが目標です。データ分析の基礎とプログラミングによるシミュレーションを体験させることで、応用力を養います。

教師視点:抽象概念の理解と問題解決能力

5年生・6年生の算数では、抽象的な概念を具体的な場面と結びつけ、多角的に理解させることが重要です。図や表を用いて複雑な問題をシンプルに考える力を育むとともに、中学校での学習を見据え、論理的な思考力や問題解決能力を向上させます。

目標設定のポイント:

  • 「割合・速さの超難問突破!」という目標は、子どもたちが苦手意識を持ちやすい抽象概念に、挑戦する意欲を引き出すことを意味します。
  • データ分析とプログラミングによるシミュレーションを体験させることで、AI時代に必須となるデータ活用能力と、現実世界の問題を数学的にモデル化する力を育む目標を設定します。

    アナログとデジタルのバランスを意識した手立て:

    アナログな図解で概念理解を深める: 割合や速さの問題を線分図や図を用いて手書きで考えることは、抽象的な問題を視覚的に捉え、シンプルに考える練習になります。複雑な問題を図にすることで、思考を整理し、解決の糸口を見つける力を養います。

    デジタルツールによるデータ分析とシミュレーション: 表計算ソフトでデータ(身長、体重など)をグラフ化し、傾向を分析することは、データから意味を読み取る力を育みます。Scratchなどで、速さや比率の概念をシミュレーションすることは、抽象的な概念を動的に理解させ、プログラミング的思考を深めるのに役立ちます。例えば、速さの異なる車が同時に出発した場合の距離の変化をシミュレーションすることで、割合や速さの概念をより深く理解できます。

    「超難問」という挑戦の提示: 「超難問」という言葉は、子どもたちの知的好奇心を刺激し、「解いてみたい!」という意欲を引き出します。難問を解くための「シンプルな考え方」を提示することで、子どもたちが問題解決のプロセスを楽しめるように工夫します。

    評価の視点:思考プロセス、概念理解、データ分析・シミュレーション能力

    アナログ評価: 応用問題における思考プロセス(どのように問題を分解し、解決しようとしたか)、概念理解の正確さ、問題解決への粘り強さなどを評価します。単に正解が出せたかだけでなく、そのプロセスを重視します。

    デジタル評価: データ分析における考察の深さ(グラフからどんなことが読み取れるか、そこからどんな仮説が立てられるか)、プログラミングによるシミュレーションの正確さ(設定した条件で意図した結果が得られるか)を評価します。デジタルツールを活用して、子どもたちが論理的にデータを扱い、問題を解決しようとしているかを見ることが重要です。

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