【高2地理歴史】入試頻出テーマの深掘り！〜論述問題の攻略法〜

この教科で何を理解させるのか

高校2年生の地理歴史（世界史B・日本史B・地理B）は、1年生の概観的な学習から、より専門的で深い探究へと移行する学年です。特定の時代やテーマを深く掘り下げ、様々な資料を読み解きながら、歴史や地理の事象を多角的に分析する力が求められます。

指導の核となるのは、各分野の専門的な知識を習得させ、歴史や地理の事象を深く考察する力を育むことです。大学入試で頻出する論述問題に対応するため、資料分析を通して批判的思考力や情報収集能力をさらに高め、自分の考えを論理的かつ説得力のある文章で表現する力を完成させることが大きな目標となります。

指導の目標：AIネイティブ世代の知のフロンティアを開拓する

指導目標は、まず「歴史的・地理的思考力の深化と論述力」の育成です。複数の資料を比較検討し、多角的な視点から歴史的・地理的事象を分析させ、論理的な文章で表現する力を養います。さらに、「AIを活用した情報収集と分析を実践させる」ことを通じて、膨大な情報の中から本質を見抜き、新たな知見を発見する力を養います。

具体的な指導法：アナログとデジタルの手立て

アナログの手立て：思考の深化と対話

複数資料の比較検討: 複数の史料（文献、絵画、遺物など）や地図、統計資料を比較検討し、多角的な視点から歴史的・地理的事象を分析させます。例えば、同じ歴史的事件について、異なる立場の人物が書いた史料を読み比べることで、歴史が一面的ではないことを理解させます。

手書きでの論述構成: 論述問題は、構成案を手書きで練り、教師や仲間との議論を通じて推敲させる活動が有効です。いきなり書くのではなく、問いの要求を分析し、主張・根拠・具体例といった骨子をじっくり考える時間を確保することが、論理的な文章を書くための近道です。

デジタルの手立て：情報活用と創造的探究

GIS（地理情報システム）の活用: GISソフトを使い、地域の人口構成、産業構造の変化、自然災害リスクなどを視覚的に分析させます。例えば、特定の都市の発展を、地形図、古地図、現在の人口分布図などを重ね合わせることで、地理的条件と歴史的変遷の関係性を探究することができます。

AIによるデータ分析: AIで大量の歴史資料や統計データを分析し、新たな相関関係やトレンドを発見させる探究活動を行います。例えば、過去の気候データと米の収穫量の関係を分析させ、歴史上の飢饉の原因を探る、といったテーマが考えられます。

デジタルアーカイブの活用: オンライン博物館やデジタルアーカイブを活用し、深い探究学習を促します。世界中の博物館が所蔵する高精細な一次史料にアクセスし、自分だけのテーマで歴史を探究する機会を提供します。

指導の要：アナログとデジタルの最適なバランス

高校2年生の地理歴史では、「アナログな資料読解や議論で思考を深め、デジタルツールで膨大な情報にアクセスし、分析・論述の質を高める」というバランスが求められます。

一つの資料を丹念に読み解くミクロな視点と、GISやAIで社会の大きな構造や変化を鳥瞰するマクロな視点。この両者を往還することで、生徒は過去と現在、そして世界と日本をダイナミックに結びつけて考える力を身につけます。

学習成果を測る評価の視点

評価は、知識の量だけでなく、それをどう解釈し、表現するかという思考力・表現力を重視します。

アナログ評価: 歴史的思考力、地理的思考力、そして多角的な視点からの考察力を、論述問題や資料読解問題で評価します。

デジタル評価: AIを活用した情報分析能力、社会問題に対する多角的な考察と解決策の提案能力、そしてその過程における倫理的判断力を、レポートやプレゼンテーションで評価します。