10. 道徳:多角的な視点で考える道徳!〜社会とのつながりを見つめる〜
道徳の授業では、社会性や公共心、自己の確立を促すことが目標です。デジタル情報に触れる際の倫理観を育み、子どもたちが社会の課題を多角的に捉え、より良い社会の実現に向けた行動を考えることを目指します。
教師視点:社会性や公共心、自己の確立
5年生・6年生の道徳では、社会の課題を多角的に捉えさせ、自分事として考える力を育むことが重要です。倫理的な課題について深く考察し、自己の価値観を形成させるとともに、社会の一員としての自覚や、より良い社会の実現に向けた行動を促します。
目標設定のポイント:
- 「多角的な視点で考える道徳!」という目標は、道徳的課題を一方向から捉えるのではなく、様々な情報や意見に触れることで、より複雑な倫理的判断ができる力を育むことを意味します。
- デジタル情報に触れる際の「倫理観」を育み、AIが生成する情報に含まれる偏見や差別についても議論する目標を組み込みます。
アナログとデジタルのバランスを意識した手立て:
アナログな対話や社会貢献活動で倫理観を育む: 社会問題に関するグループディスカッションやディベートは、子どもたちが多様な価値観に触れ、自分の意見を論理的に構成する力を養います 地域ボランティア活動への参加は、地域社会への貢献意識や公共心を育みます
デジタル情報への批判的思考を深める: ネットニュースの記事を題材に、情報リテラシーや倫理について議論することは、情報を見極める力を養います。オンラインアンケートで意見を集約し、多様な考えに触れることは、他者の意見を尊重し、多角的に物事を捉える力を育みます AIが生成する文章や画像に含まれる偏見や差別について議論することは、AI時代に必須となる倫理観を育む上で非常に重要です。
バランスのポイント: アナログな対話や社会貢献活動で倫理観を育み、デジタル情報への批判的思考を深め、AI倫理についても考えるハイブリッドな指導が有効です。デジタルは「社会の鏡」として、子どもたちが複雑な社会問題と向き合うためのツールとなります。
評価の視点:思考の深さ、多様な価値観への理解、行動への意欲、デジタル情報を批判的に読み解く能力、AI倫理に関する考察
アナログ評価: 道徳的課題への「思考の深さ」(問題の根本原因や多様な解決策を考えられるか)、多様な価値観への「理解」(異なる意見を持つ他者を尊重できるか)、そして「行動への意欲」(学んだことを日常生活や社会で実践しようとしているか)を観察し、評価します。
デジタル評価: デジタル情報を「批判的に読み解く能力」(情報の信頼性を判断できるか)、オンラインでの議論における「倫理的な態度」(責任ある発言ができるか)、AI倫理に関する「考察」(AIの利活用におけるメリットとデメリット、潜在的なリスクについて議論できるか)を評価します。