8. 道徳:考えて、話し合う道徳!〜心を育む対話の場〜
道徳の授業では、社会性や倫理観の発展を促すことが目標です 。デジタル教材で多様な意見に触れ、議論の基礎を学ぶことで、子どもたちが自らの心と向き合い、他者と共感し、公正な社会を築くための力を育むことを目指します 。
教師視点:社会性や倫理観の発展
3年生・4年生の道徳では、具体的な場面を通して、社会の中で自分がどう行動すべきかを考えさせることが重要です 。多様な価値観を理解し、他者と共生する心を育むとともに 、公正さや正義感、責任感といった規範意識を養います 。
目標設定のポイント:
- 「考えて、話し合う道徳!」という目標は、道徳的課題を一方的に教え込むのではなく、子どもたちが自ら考え、友達と対話することで、より深い倫理観を育むことを意味します。
- デジタル教材で「多様な意見に触れ、議論の基礎を学ぶ」ことで、情報化社会における倫理観や多文化共生への理解を深める目標を組み込みます。
アナログとデジタルのバランスを意識した手立て:
アナログな対話で共感と理解を深める: 道徳的課題に関するロールプレイングやディベートは、子どもたちが多様な立場や視点を体験し、共感する心を育むのに有効です 。友達との対話を通して、互いの意見に耳を傾け、共感する心を育むグループワークは、コミュニケーション能力と他者理解を深めます。
デジタル教材で多様な情報や視点を提供: デジタル教材(動画、イラスト、音声)で、様々な道徳的課題や多様な背景を持つ人々の生活に触れさせることは、子どもたちの視野を広げ、多文化共生への意識を育みます 。オンラインアンケートや匿名投稿機能で意見を集約し、可視化することは、クラス全体の意見の傾向を把握し、議論を深めるきっかけとなります 。例えば、ある道徳的ジレンマについて、オンラインで意見を募集し、その結果を見ながら「自分と違う意見もあるんだな」と気づかせることもできます。
バランスのポイント: アナログな対話や共感体験を深め、デジタル教材で多様な情報や視点を提供し、議論のきっかけとするハイブリッドな指導が有効です 。デジタルは「対話の触媒」として、子どもたちの倫理的な思考を促す役割を担います。
評価の視点:思考の深さ、傾聴姿勢、行動への意欲、デジタル活用における倫理観
アナログ評価: 道徳的課題に対する「思考の深さ」(問題の背景や多様な解決策を考えられるか) 、友達の意見に「耳を傾けようとする姿勢」(相手の意見を尊重し、理解しようとしているか) 、そして「行動への意欲」(学んだことを日常生活で実践しようとしているか)を観察し、評価します。
デジタル評価: デジタル教材から得た「気づき」(例えば、動画を見てどんなことを感じ、考えたか) 、オンラインでの意見表明における「倫理的な態度」(例えば、匿名の場でも責任ある発言ができるか)を評価します 。AI時代に必須となる情報倫理の基礎を育む視点から、デジタル活用を評価することが重要です。