3. 生活:わくわく身の回り観察!〜生き物や季節のメッセージを読み解こう〜
生活科では、身の回りの事象に旺盛な好奇心を持ち、主体的に探求する態度を育むことが目標です。デジタルツールを観察記録を残す基礎として活用し、アナログな体験を深める手段として位置づけます。
教師視点:好奇心を育み、主体的に生活を探求する態度
1年生・2年生の生活科では、五感を使い、身の回りの世界への気づきや発見を促すことが重要です。安全な生活習慣の基礎を身につけさせるとともに、集団生活の中で友達との関わり方やルールの大切さを伝えます。
目標設定のポイント:
- 「身の回りの事象に好奇心を持つ」だけでなく、「主体的に探求する」という能動的な姿勢を育む目標を設定します。
- デジタルツールを「観察記録を残す基礎」として位置づけ、AIネイティブ世代に必須となる情報整理のスキルを育む目標を組み込みます。
アナログとデジタルのバランスを意識した手立て:
五感をフル活用した体験学習: 公園での生き物観察、植物の成長日記の手書き、季節の移り変わりを感じる散歩など、五感をフル活用した体験学習は、子どもたちの知的好奇心を刺激し、豊かな感性を育みます。実際に触れ、匂いを嗅ぎ、音を聞くことで、知識が実感を伴って定着します。例えば、アサガオの観察では、葉の形、花の色の変化、ツルの伸び方などを「自分の目で見て、手で触って」記録させます。
デジタルならではの観察手法: 観察記録アプリで写真を撮り、音声で記録を残すことは、文字を書くのがまだ苦手な子どもたちにとって、手軽で効果的な記録方法です。季節ごとの植物や生き物の変化をタイムラプス動画で記録するなど、デジタルならではの観察手法を導入することで、アナログな観察では気づきにくい変化を捉えることができます。記録した写真は、後で共有し、クラス全体で気づきを共有する際にも役立ちます。
バランスのポイント: 実際の自然に触れるアナログな体験を重視し、その記録や整理、共有にデジタルツールを活用する「ハイブリッド型」の学習が理想です。デジタルはあくまで「記録」「整理」「共有」のツールであり、体験そのものの質を高めるための手段であることを意識させます。
評価の視点:探求する姿勢と記録の工夫
アナログ評価: 自然や社会事象に対する「自発的な問いかけ」や「観察活動への集中度」、「友達との協力姿勢」など、内面的な成長を観察し、評価します。例えば、「なぜこの花はこんな色をしているんだろう?」「この虫はどこから来たんだろう?」といった疑問を自ら発しているか、グループ活動で積極的に協力しているかなどを評価のポイントとします。
デジタル評価: デジタルで記録した観察日記の内容や、記録の工夫(写真の撮り方、音声の説明の仕方など)、そこから生まれた疑問を評価します。デジタルツールを使って、子どもたちがどれだけ主体的に情報を整理し、表現しようとしているかを見ることで、情報活用能力の芽生えを評価することができます。