【中2道徳】社会の羅針盤を磨く!〜未来を創る主体的な行動〜
この教科で何を理解させるのか
中学校2年生の道徳は、1年生で深めた自己理解を基盤に、他者や社会、自然との関わりの中での自己の生き方を探求する段階です。この学年では、多岐にわたる道徳的課題について深く考察させ、倫理的な判断力を養うこと、グローバルな視点から世界の様々な問題に関心を持たせること、そして主体的に社会に貢献しようとする態度を育むことが指導の核となります。
生徒にとっては、自分らしさを深く見つめて自己の生き方について考えること、公正な社会の実現に向けて差別や不平等をなくすために何ができるかを考えること、多様な文化や価値観を理解し尊重することが具体的な学びのテーマとなります。
指導の目標:AIネイティブ世代に向けたゴール設定
指導目標は、「自己の確立、公正な社会、多様な価値観との共生について深く考える」ことです。より広く、より複雑なテーマについて、自分事として考え、議論する力を養います。さらに、「デジタル情報に触れる際の倫理観を育み、社会貢献への意欲を高める」ことも大きな目標です。情報社会の市民としての責任ある行動を促します。
具体的な指導法:アナログとデジタルの手立て
アナログの手立て:社会との関わりの中で倫理観を育む
ディベートや模擬国連: 道徳的課題に関するディベートや模擬国連といった活動を取り入れます。あるテーマについて異なる立場に立って議論することで、物事を複眼的に捉え、自分の考えを論理的に主張する訓練になります。
社会貢献活動: 社会の現場でのボランティア活動や、地域住民との交流を促します。実際に社会と関わる体験を通して、教科書だけでは学べない課題を発見し、貢献する喜びを実感させます。
デジタルの手立て:グローバルな課題とAI倫理を探究する
VRコンテンツの活用: デジタル教材、特にVRコンテンツなどを活用し、世界の様々な社会問題(貧困、紛争、環境問題など)や文化に触れさせます。現地を訪れているかのような没入感のある体験は、生徒の共感性を高め、課題への関心を深めます。
オンラインフォーラムでの議論: オンラインフォーラムで、多様な意見を集約し、議論を深めます。国内外の同世代の生徒と、共通のテーマについてオンラインで意見交換する機会を設けることも、グローバルな視点を育む上で有効です。
AIの偏見に関する議論: AIが生成する文章や画像に含まれる偏見や差別について議論します。「なぜAIはこのような偏見を持ってしまうのか」「開発者は何をすべきか」「利用者はどう向き合うべきか」を考えることで、新しいテクノロジーに対する批判的思考と倫理観を養います。
指導の要:アナログとデジタルの最適なバランス
中学2年生の道徳では、「アナログな対話や社会貢献活動で倫理観を育み、デジタル情報への批判的思考を深め、AI倫理についても考える」というバランスが重要です。
リアルな社会での体験を通して育まれる共感性や責任感と、デジタル空間でグローバルな課題やAI倫理を探究する思考力。この両者を統合することが、未来社会を主体的に創る市民を育成します。
学習成果を測る評価の視点
評価は、道徳は数値評価になじみませんが、生徒の成長を多面的に捉え、励ます評価を行います。
アナログ評価: 道徳的課題に対する思考の深さ、多様な価値観への理解、そして行動への意欲を、発言、ノート、レポート、活動への参加態度などから評価します。
デジタル評価: デジタル情報を批判的に読み解く能力、オンラインでの議論における倫理的な態度、そしてAI倫理に関する考察の質を評価します。