中学校1年生の「家庭(家庭分野)」指導攻略

【中1道徳】心の羅針盤を磨く!〜よりよい社会をめざして〜

この教科で何を理解させるのか

中学校1年生の道徳は、「特別の教科」として、生徒が自己の生き方を深く見つめ、他者や社会とより良く関わっていくための「心の羅針盤」を磨く時間です。

この教科の目的は、特定の知識を教え込むことではなく、「様々な場面を通して、自己の生き方や価値観について深く考えさせること」 、「他者への共感や思いやり、多様な価値観を尊重する心を育むこと」 、そして「社会の一員としての責任感や公共心を養うこと」 にあります。

生徒にとっては、自分らしさを大切にすること 、友情や信頼の心を育むこと 、家族の一員としての役割を考えること など、身近なテーマについてじっくりと考える機会となります。

指導の目標:AIネイティブ世代に向けたゴール設定

指導目標は、「自己のあり方、友情、家族、社会のきまりについて深く考える」ことです。これは、人間として、社会の一員として生きていく上での根幹をなす問いです。さらに、AIネイティブ世代の課題として、「デジタル情報に触れる際の倫理観を育み、多様な価値観を尊重する姿勢を養う」ことも極めて重要な目標となります。

具体的な指導法:アナログとデジタルの手立て

アナログの手立て:対話を通した思考の深化と共感体験

グループディスカッション: 道徳的課題に関するグループディスカッションやロールプレイングを通して、多角的な視点から物事を考えさせます。自分とは異なる意見に触れることで、考えの幅が広がり、思考が深まります。

対話と共感: 友達との対話を通して、共感力や思いやりを育みます。教師が結論を示すのではなく、生徒同士の対話の中から多様な考えを引き出し、認め合う場の安全性を確保することが教師の重要な役割です。

デジタルの手立て:多様な視点の提供と議論の活性化

デジタル教材の活用: デジタル教材(動画、イラスト、音声)で、様々な道徳的課題や多様な背景を持つ人々の生活に触れさせます。視覚や聴覚に訴える教材は、生徒の感情移入を促し、課題を自分事として捉えやすくします。

意見の可視化: オンラインアンケートや匿名投稿機能で意見を集約し、可視化します。普段発言しにくい生徒の意見も拾い上げることができ、クラス全体の考えの傾向を共有することで、議論をさらに深めることができます。

AI倫理の考察: AIが生成する文章や画像に含まれる偏見や差別について議論する活動を取り入れます。テクノロジーをどう使うべきかという新しい倫理的課題について考えることは、AIネイティブ世代にとって必須の学びです。

指導の要:アナログとデジタルの最適なバランス

道徳科におけるバランスの鍵は、「アナログな対話や共感体験を深め、デジタル教材で多様な情報や視点を提供し、議論のきっかけとする」ことです。

人と人との温かい関わりの中で育まれるアナログな共感力と、デジタルの力で世界中の多様な価値観に触れる体験。

この両方を組み合わせることで、より広く、より深い道徳性を育てることができます。また、AI倫理についても深く考察させることが重要です。

学習成果を測る評価の視点

道徳は数値で評価する教科ではありませんが、生徒の学びや成長の様子を記録し、励ますための評価が重要です。

アナログ評価: 道徳的課題に対する思考の深さや、友達の意見に真摯に耳を傾けようとする姿勢、そしてより良く生きようとする行動への意欲を、発言やノートの記述から見取ります。
デジタル評価: デジタル情報を批判的に読み解く能力(クリティカルシンキング)や、オンラインでの議論における倫理的な態度を評価します。また、AI倫理に関する考察の深さも評価の対象となり得ます。

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