【中1技術・家庭（家庭分野）】賢い生活者になろう！〜家族と社会を考える〜

この教科で何を理解させるのか

中学校1年生の家庭分野は、私たちが生きていく上で不可欠な「衣」「食」「住」に関する知識と技術を学び、自立した生活者としての土台を築く教科です。

指導の核となるのは、「衣食住に関する実践的な知識と技術を習得させ、自立を促すこと」 、「家族や地域との関わりを通して、互いに支え合うことの大切さを伝えること」 、そして「消費者としての自覚や、資源を大切にする心を育むこと」 です。

生徒にとっては、栄養バランスを考えた献立作成と簡単な調理 、衣服の手入れや裁縫の基礎 、快適な生活を送るための住まいの工夫 などが具体的な学習内容となります。日々の生活と直結した学びを通して、自己と家族、そして社会との関わりを見つめ直す機会を提供します。

指導の目標：AIネイティブ世代に向けたゴール設定

指導目標は、まず「調理の基礎、衣服の手入れ、快適な住まいづくりなど、生活に必要な知識と技能を習得する」ことです。これは、生活力の基盤となります。そして、「デジタルツールを活用して、効率的な生活をデザインする能力を養う」ことも大きな目標です。AIネイティブ世代の生徒たちに、テクノロジーを賢く利用して生活をより豊かに、より持続可能なものにする視点を育てます。

具体的な指導法：アナログとデジタルの手立て

アナログの手立て：五感で学ぶ実践的スキル

調理実習: 栄養バランスを考えた献立作成と、調理実習を通して実践的な料理スキルを学びます。包丁の使い方、火加減、衛生管理など、安全に配慮しながら、食材が美味しい料理に変わる過程を五感で体験させます。

裁縫の基本: 衣服の手入れや裁縫の基本を学びます。玉結び、玉どめ、なみ縫いといった基本的な技術を習得し、簡単な小物などを製作することで、ものづくりの達成感を味わわせます。

地域との連携: 地域のごみ処理施設見学などを通して、環境問題と生活のつながりを考えさせます。自分たちの生活が社会や環境と密接に関わっていることを実感させます。

デジタルの手立て：情報を活用し生活をデザインする

栄養計算アプリの活用: 栄養計算アプリで献立を作成し、栄養バランスを客観的に把握させます。PFCバランス（タンパク質・脂質・炭水化物）などを視覚的に理解することで、健康的な食生活への意識を高めます。

レシピ動画の活用: レシピ動画を参考に調理スキルを向上させます。プロの手順を動画で繰り返し確認できるため、生徒の自主的な学習を促進します。

未来の生活を考える: スマートホームやIoT家電など、デジタル技術を活用した効率的な生活のアイデアを考えさせます。技術の進化が私たちの生活をどのように変えるかを予測し、発表する活動も有効です。

指導の要：アナログとデジタルの最適なバランス

家庭科におけるバランスの要は、「実践的な家事スキルをアナログな体験で習得し、デジタルツールを活用して生活の効率化や、環境に配慮した生活をデザインする」ことです。

自分の手で調理し、味わうというアナログな体験と、アプリで栄養を管理したり、未来の生活をデザインしたりするデジタルな体験。

この二つを組み合わせることで、伝統的な生活の知恵と未来志向の課題解決能力の両方を育成します。

学習成果を測る評価の視点

知識、技能、態度の三つの側面から評価します。

アナログ評価: 調理スキルや裁縫の基本技能、そして生活課題への工夫や実践的な解決能力を評価します。実習中の手際や安全への配慮、後片付けなども重要な評価ポイントです。
デジタル評価: 栄養計算アプリでの献立作成能力や、スマートホームなどのデジタル技術を活用した生活アイデアの質を評価します。また、関連する情報収集能力もレポートなどで評価します。